CPUをRyzen 9 5900Xにアップグレードして以降、VRM MOSの温度が気になるようになりました。VRM MOS(Voltage Regurator Module Mosfet)とは電源から供給された電圧をCPUで利用できる電圧に変換するための回路です。Ryzen 7 1700時代はあまり気にしていなかったのですが恐らく100℃を超えることはなかったと思います。ところがCPUを換装してからは動画のエンコードなど負荷の高い作業をすると常時113(測定上限?)℃まで上昇するようになりました。これにはさすがにまずいと思い、手を打つことにしました。
使用しているマザーボードではVRMにヒートシンクがつけられています。この上に市販のヒートシンクを増設します。15mm角のアルミ製ヒートシンクを熱伝導テープで固定しました。
結果は対策無しの時と変わらず113℃でした。最高温度まで上昇する時間は長くなったようですが動画エンコード処理は長時間実行するので最高温度に変化がないと無意味です。
ヒートシンクの追加では効果が得られなかったので冷却ファンを追加します。
冷却ファンは長瀬製作所のSS-NVRM-FSTY60です。
60cm角のファインが2個入っていてヒートシンクを覆うには2つ並べるほどではないので1つで試してみました。ただ、この配置だとヒートシンクにファンがギリギリかかる程度で風がどの程度当たっているか不安がありました。実際の温度は110℃と効果があるとは言いがたい状況でした。
そこで、さらにもう一つCPU方向に取り付けてみました。ネジ止めができないのでケーブルを束ねるビニールで被覆された針金で固定しました。この配置だと103℃まで温度が低下しました。
対策と結果をまとめると以下になります。
項番 | 対策 | 温度 |
---|---|---|
1 | 無し | 113℃ |
2 | ヒートシンクのみ | 113℃ |
3 | ヒートシンク+ファン1個 | 110℃ |
4 | ヒートシンク+ファン2個 | 103℃ |
温度が10℃低下しましたが、これを効果ありと見るのかどうかは微妙なところですね。水冷CPUクーラーのラジエーター冷却による温風がケース内にこもる環境なのでTDP105WのRyzen 9 5900Xではこれが限界なのかもしれません。
同じような状況に悩む人の参考になれば幸いです。