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Shanling M3X

Shanling M3Xを購入したのでその感想を記載します。

1.購入の経緯

パイオニアのXDP-300Rを使っていましたが、Amazon musicがハイレゾ配信になってから音飛びがするようになってどうやっても改善しない状況でした。そんな中各種レビューで絶賛されているShanling M3Xがヤフオクで比較的安く出品されていたので落札した次第です。

2.ハードウェア

開封の儀や外観は他の方のレビューをご覧ください

(1)主なスペック

SOC:Snapdragon430
メモリ:2GB RAM、32GB ROM
ディスプレイ:4.2インチ(1280 x 768)
OS:Android 7.1
SDカード:MicroSDカード x 1
Bluetoothトランスミッター:LDAC、LHDC、aptXHD、aptX, SBC
Bluetoothレシーバー:LDAC、SBC
バッテリー:3200mAh
出力:240mW at 320Ω(バランス)
インピーダンス:10Ω

(2)DACチップについて

DAC/アンプチップはESS Sabre ES9219Cが2個です。

ES9219CはESS社のDACでESS社の製品情報によるとポータブルDAP向けに開発された低消費電力製品のようです。このチップの特性がM3Xのバッテリーの持ちに貢献していると思われます。

ちなみにXDP-300RのDACチップは同じくESS社のES9018K2Mが2個でアンプチップとしてSABRE9601Kを2個搭載しています。

3.標準のミュージックプレーヤーについて

M3XはDAPモードとAndroidモードがあり、前者は標準装備のミュージックプレーヤーのみ存在するモードでそのかわり、音質が良いとされているモードです。
この標準のミュージックプレーヤー、他の方のレビューにもありますがギャップレス再生ができません。また、アルバムによってはタグの曲順番号を認識しないことがあり、その時は曲が文字コードの昇順の並びになってしまいます。私は特に昔のアルバムを聴くときは曲順通りでないと嫌なタイプで、そういう観点ではこの問題は我慢できません。ギャップレス再生ができない点も含めて、はっきり言って使い勝手はかなり悪いです。(ビートルズの名盤「アビイ・ロード」やピンクフロイドの「狂気」を聴くことを想像してみてください)
このM3Xの後継(上位?)機種であるM3 Ultraもどうやら同じプレーヤーを搭載しているようです。購入を検討している方は店頭に自分のデータを持ってきて使い勝手を試すことを強くお勧めします。

4.Play storeからミュージックプレーヤーを導入

標準のミュージックプレーヤーが使い物にならないのでandroidモードでAndroid搭載の利点であるサードパーティーのプレーヤーを導入してみます。

(1)Google Play storeの導入

標準ではGoogle Play storeがインストールされていないのでGoogle play storeを下記リンクからダウンロードしました。
https://m.apkpure.com/jp/google-play-store/com.android.vending

(2)Onkyo HF Player

スマホのミュージックプレーヤーとして定評のあるHF Playerですが、M3Xにインストールするとなぜか私のミュージックファイル(ALAC、FLAC、MP3)のタグを認識しません。ネットで色々調べましたが、現在でも問題が解決していません。

(3)Poweramp

HF playerのようなタグ問題はありませんが、なぜか音量が異常に小さく他のミュージックプレーヤーと併用するのが難しいレベルです。特にLine出力モード(カーオーディオに接続するときに使用)では使い物になりません。

(4)winamp

文字化けがひどく論外

(5)FiiO MUSIC

唯一使用に耐えるミュージックプレーヤーです。まぁ普通の使い勝手です。

(6)Amazon Music

ほとんどの人がサブスクのためにM3Xを購入すると思いますが、Amazon Musicについては全く問題ありません。たまに音飛びが起きますが数十分聴いて一回あるかないかの程度です。ただ、これはAmazon Musicアプリの問題ですがライブラリでアーティストで絞り込むとその後はアルバム単位で再生できないので結構イライラします。
(Android版ではライブラリ>アーティスト> のみ。iPhone版ではライブラリ>アーティスト>楽曲もしくはアルバムで検索可能で明らかにandroid版の使い勝手が良くありません。)

5.USB DACとして使用してみる

M3XはUSB DACとしても使用可能です。メニューからワンタッチでUSB DACモードになります。M3XをUSB DACとして使うためにはWindows PCではPCにドライバーをインストールしてやる必要がありますが、MACではそのまま使用可能です。スマホではOTGケーブルを使用すればUSB DACとして使用可能です。Androidスマホで試した限りはスマホ側で特別な操作やソフトウェアは不要です。

6.ライン出力(Line out)モードで使用してみる

カーオーディオやコンポにアナログケーブルで接続するときにはライン出力モードにしますが、これもメニューから簡単に切り替え可能です。切り替え操作時は音量が最大になりますという警告が表示されます。それまでアプリで音楽を再生していてもこの操作を実施すると再生が停止します。このあたりはよくできています。また、オーディオケーブルの抜き差しを行うと元のヘッドフォン再生モードに戻ります。これもイヤホン等で誤って最大音量で再生しないための工夫といえます。ただし、ライン・アウトモードにするとゲインもHighに切り替わるため、接続先機器によっては音割れがしてしまいます。この場合はゲインをLowにすれば音割れしなくなります。

7.ヘッドフォン・イヤホンで聴いてみた感想

スマホやiPhoneのヘッドホンジャックよりは細かい描写がわかるレベルの表現力です。また、FiiOのQ1 MarkⅡよりも表現力はあると思います。しかしながらXDP-300Rと比べると音場が狭く感じられます。具体的に言うと残響が足りない感じです。また、私の持っているヘッドフォン(Sound Warrior SW-HP20:インピーダンス40Ω)は明らかに駆動できない感じでスカスカな音になってしまいました。

8.まとめ
ちまたの評判が良い事とヤフオクでたまたま安かったので購入しましたが、正直言って期待外れです。標準ミュージックプレーヤーのできが悪すぎるのが致命的です。標準プレーヤーのできが悪いと実質Android Modeでしか使えないのと同じです。音質もびっくりするほど良いとは言えないです。Youtuberやブロガーがなぜ高評価にしているのか不思議です。
この機種が合う人
・サブスクでしか使用しない人
・DAPがどんなものか使ってみたい(DAPデビューな)人

この機種が合わない人(=私)
・数多くの手持ちの音楽ファイルがある人
・操作性が悪いことに我慢ができない人
・すでにそこそこの価格のDAPを使用した経験がある人

この機種が合う人の特徴を考えると初めてDAPを購入する人ということになりますが、DAP初心者が3万円台後半出せるのか甚だ疑問です。素直にウォークマンを購入した方が無難な気がします。