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天下統一 相克の果てバリューパック

最近、ブログの更新頻度がめっきり下がっていますが、その大きな要因がこれです。

GPD Winにゲーム環境を作った後、これをそのまま常時起動しているLinuxファイルサーバーのvmplayer環境に移植したのが間違いでした。すっかりハマってます。

天下統一シリーズは特に初代と天下統一2のシリーズは名作との評価が定着しています。
(本作は天下統一2の全部入りパッケージです)
ファンも多く、以下のページでは猛者がMODや追加シナリオを紹介し合っています。

https://www.tenka-web.com/

プレイレポートは以下が秀逸(さすがプロ)
https://www.4gamer.net/games/011/G001112/20090731054/

なので今更感は満載です(何せオリジナルは28年前にリリース)が、最近ジオシティーズが閉鎖され過去の遺産が喪失しがちなので改めて操作やワンポイント攻略のような物を紹介したいと思います。

実は私が最初にパソコン(PC9801 NST)を買った最大の動機はこのゲームをするためでした(当時は98版)。何度このゲームで徹夜したか数えきれません。

1.ゲームの開始、シナリオ選択

ゲームを起動すると以下のウインドウが表示される

さらに、新規ゲームの開始を選択するとシナリオ選択画面になる。

初心者はやはり「乱世の覇者」で後背の心配の無い島津氏でプレイするのが良いと思います。
時代によって勢力バランスが全く異なるので、歴史好きの人はとりあえず好きな年代でプレイしてその時代の勢力情勢を見るだけでも楽しいと思います。

2.ゲームの流れ

ゲームは以下のように進行する。

更新フェイズ ー 軍備フェイズ ー 政略フェイズ ー 作戦フェイズ ー 合戦フェイズ

これらが季節毎に行われ春、夏、秋、冬と繰り返されていく。

(1)プレーヤーの目的

このゲームでは各国内にある城を奪取し国を制圧し、最終的に1000万石以上かつ大名レベルが天下人レベルなると朝廷から関白就任の奏上のお知らせが来て終了となる。

(2)大名レベル

大名レベルには国人、豪族、小大名、戦国大名、覇者、天下人があり、小大名以下のレベルではできる操作が限られる。また、レベルが上がる毎に大名家(武将)の行動に関するコストが高くなり、武将の俸禄も上がっていく。

(3)大名家の行動

大名家の行動は合戦以外は全てコマンドポイント(CP)を消費し、大名家のCPは当主の政治力に大名レベルに応じた係数をかけて算出されたものが毎ターン付与される。余ったポイントはある程度までは次ターンに持ち越すことができる。

(3)武将

武将は以下のパラメータで表現される。
軍事:0~20
知謀:0~20
政治:0~20
年齢:ある一定の年齢以上になると死亡率が高くなる。(必ずしも史実の年齢で死ぬわけではない)
忠誠心:0~20
俸禄:0~250(俸禄は毎年秋に支払われる。)

能力を表すパラメータは10を超えると有能と言っていい働きをする。15を超えるとほぼ神の領域。18以上になるとほんの数名しかいない。また、能力値はその能力を必要とする行動を行うと向上する。

(4)軍団

大名家の行動は全て軍団単位で行われる。軍団の能力値は軍団長の能力値とイコールになるが軍団内に軍団長より優秀なパラメータを持つ者がいる場合は多少補正される。

この例だと軍団の能力値は17-9-8である。軍団長の上杉謙信の軍事力は16だが部下の柿崎の17の影響を受けているのがわかる。

あと、ここではわからないが軍団には士気値があり通常50~150の範囲で変動する。これは極めて重要なパラメータで、移動時、合戦時に大きく物をいう。移動すると疲労度が上昇する。疲労度が士気値を超える場合はそれ以上移動できない。また士気値が合戦時の戦意に直結するので士気値が高いほど強力な軍隊と言える。

士気値は新たに兵を募集した場合、募集した国の兵質(50~100)と同じになる。このため同数の部隊同士でも薩摩で募集された部隊は士気値100で摂津で募集された部隊は士気値50となり、特に合戦時は摂津で募集された部隊は大きなハンデがある。この仕組みによって兵員の地域格差をうまく表現している。

なお、士気値は野戦で2,攻城戦で2ずつ向上する。また、追加募集した国の兵質によって部隊の士気値は増減する。

(5)大名家のパラメータ

威信:大名家の対外的な格を表す。上限は25。天下統一を果たすためには上限近くまであげる必要がある。

動員:農繁期に特別な動員をかけなくても利用可能な兵士の割合。例えば1000人の軍団がいたとして動員率65%の大名家では農繁期(春、夏)に戦闘で利用可能な兵員は650人である。

軍団:軍団数。上限は64である。

(6)国のパラメータ

支配:支配率
収穫:通常は100パーセントだが農繁期に兵員の動員を行うと悪化し、収入に影響する。
兵質:住民の兵士としての強さ。最強は薩摩の100で最弱は50である。

(7)城のパラメータ

軍団の情報は左から武将名、士気値、疲労度となる。 (例)宇喜多秀家軍団の士気値は87、疲労度は0

Lv:城の防御レベル。これが0になると落城
兵糧:兵糧の充足度。これが0になると落城
地形:城で防御するときの地形修正。数字が大きいほど攻めにくい。
町:町の規模。毎ターンの収入に影響がある。

(8)街道

移動元の城から移動先の城は街道もしくは水路で接続している必要がある。また、街道には行軍のしやすい街道とそうでない稼働があり、地図上では街道の線の太さで表現している。行軍のしやすい街道は疲労度が少なく、行軍のしにくい街道は疲労度が大きくなる。

3.軍備フェイズ

名前の通り軍備を整えるフェイズ。

(1)兵

 兵を募集して武将に割り当てる。募集可能な兵数は募集国の石高、支配率、住民感情に依存し、武将に割り当て可能な兵数はその年代に応じた最大値(最大は5000人)まで割り当てることができる。また、各大名家はその総石高、動員率によって最大兵員数が決まる。

ーワンポイントアドバイスー
武将が複数名存在する場合、軍事力の高い武将に集中して割り当てるべきである。均等に割り当てると中途半端な兵数の武将軍団ができるだけで戦闘の役に立たない。

(2)砲

鉄砲を調達して武将に割り当てる。特に時代の古いシナリオでは鉄砲を調達できる国が少なく、調達に必要なコマンドポイントも大きい。

(3)編

同じ城に存在する複数の軍団内の武将構成を変更することができる。

(4)俸

武将の俸禄(給料)を加増する。これにより武将の忠誠心が向上する。

(5)追

武将を追放する。追放された武将が率いていた兵員、鉄砲は他の武将に引き継がれる。追放される武将の忠誠心が高い場合はこの行動により、他の武将の忠誠心が下がったり、大名家の威信が下がる、他大名との関係が悪化する等の弊害が発生する。
(筆者注:織田信長による佐久間信盛、林通勝の追放が有名)

(6)隠

45歳以上の武将を隠居させる。ランダム生成された世継ぎが兵員、鉄砲を引き継ぐ。俸禄は元の武将の半額になる。世継ぎが発生しない場合は兵員、鉄砲は他の武将に引き継がれる。引き継ぎ先は兵員の充足度の高い軍団が優先される。
(筆者注:現代社会のリストラのようなもの)

ーワンポイントアドバイスー
これをうまく利用すると兵員を有能武将の軍団に引き継がせることができる。

(7)離

兵農分離を行うことで農繁期(春、夏)の兵員の動員率を向上させる。この行動で上昇する動員率は大名家によって異なる。なお、国是として郷士制度をとる島津家と長宗我部家はこの行動ができない。動員率はゼロのままである。

動員率について
動員率は直接的には農繁期に稼働可能な兵員の数に影響を及ぼす。他の影響は以下。
軍団移動時の疲労度:動員率が高い方が疲労度が低い。
ターン毎の兵員の維持費:動員率が高い方がターン毎の維持費が高くなる。

(8)郷

郷士制度を導入することで動員率を低下させる。1回の実施で動員率は10%低下する。この行動は高い動員率により兵員の維持費が厳しくなったときに実施することになる。

(9)城

城の普請を行う。1回につきレベルが1~3レベル上げることができる。

(10)糧

城の兵糧を追加する。1回につき10%向上する。

4.政略フェイズ

内政、外交などを行うフェイズ

(1)治(2CP)

治水開墾を行う。国の石高と住民感情が向上する。対象国の支配率が80バーセント以上の時のみ実行可能。軍団の政治力が結果に影響する。

(2)市

楽市楽座を行う。城の街の規模が拡大する。軍団の政治力が結果に影響する。

(3)鉱

鉱山の開発。鉱山の取れ高が向上する。軍団の政治力が結果に影響する。

(4)移

軍団の移動。疲労度の許す限りどこまでも移動可能。大雪の東北地方では疲労度の関係でほとんど移動できない事もある。

(5)援

援軍の要請。従属国に対して援軍を要請することができる。従属国が応じた場合は援軍は当主軍団と同じもしくは隣接した城に登場する。軍団の政治力が結果に影響する。

(6)使

他の大名家への外交使者を派遣する。対象大名家との友好度が向上する。友好度がある一定のレベルを超えると不戦同盟を締結することが可能。軍団の政治力が結果に影響する。

(7)従

他の大名家へ従属するよう使者を派遣する。従属使者を派遣するためには自国の城が対象大名家の城と隣接する必要がある。また、交渉の結果にかかわらず友好度は低下する。軍団の政治力が結果に影響する。

(8)臣

従属済みの他の大名家に臣従するよう要請するための使者を派遣する。臣従に応じた大名家の領土は自国の領地となる。また、臣従に応じた大名家の軍団は全て家臣となるが当面は外様扱いで軍団編成や人事面で若干扱いづらさが残る。また、交渉に失敗すると友好度は低下する。軍団の政治力が結果に影響する。

ーワンポイントアドバイスー
不戦同盟締結済みの他大名家と同盟を破棄したい場合で時間と経費が許す時は(7)、(8)を多用することで相手から同盟を破棄させる事が可能である。

(9)棄

不戦同盟の破棄。これを行うと対象大名家以外の大名家との友好度が低下し、家臣の忠誠心が低下する。ただし、政治力の高い軍団が実行すると悪影響を最小限に抑えることができる。

(11)抜(3CP)

武将の引き抜き。武将の引き抜きを試みる。対象武将の忠誠心と実行軍団の知謀、実行大名家と対象大名家の威信の差が結果に影響する。実行大名家の威信が高く、対象家の威信が低い場合は実行軍団の知謀がそれほど高くなくても成功率は高い。(大手企業が知名度に物を言わせて中小企業の人材をヘッドハンティングするような感じ)
引き抜きに失敗しても対象武将の忠誠心が低下することが多い。

(13)穏

不穏工作。隣国の住民感情の低下を招き一揆を誘発させることができる。実行軍団の知謀が結果に影響する。

(14)朝

朝廷工作。いわゆる猟官運動で、これが成功すると新しい官位をもらうとともに威信が向上する。ただし、必要な経費は官位にもよるが莫大である。

5.作戦フェイズ
合戦に関する行動を行う。
(1)行

戦闘行動を行う。軍団が存在する城に隣接する城を攻める。

(2)総(動員率に応じて消費CPが異なる)

農繁期(春、夏)に他家の城を攻めるために兵士を総動員する。総動員をしない場合は大名家の動員率に応じた兵員しか戦闘に参加できない。他家から攻撃を受けた場合はこの行動をとならなくても100%の充足度で戦うことができる。

(3)壊

謀略により敵の城の防御レベルを低下させる。実行軍団の知謀が結果に影響する。

(4)減

謀略により敵の城の兵糧充足度を下げることができる。実行軍団の知謀が結果に影響する。

(5)混

謀略により敵軍団の疲労度を上昇させる。実行軍団の知謀が結果に影響する。

6.合戦フェイズ
合戦は作戦フェイズに指示された軍団が他家の城に進軍することで発生する。
野戦の勝敗が確定した後で攻城戦に突入する。防御側が野戦に勝利すると攻城戦は行われない。
(1)野戦
野戦は5武将が率いる部隊同士が激突して、20ラウンド以内にすべての部隊の戦意が0になるか戦線を突破するまで争う。20ラウンドで決着がつかない場合は攻撃側の敗退となる。(防御側の追撃を受けるので若干の損害が出る)
合戦時の武将に実施させるコマンドは以下。何もしない場合戦意がある程度回復する
攻撃:防御側の兵士数と戦意が低下する。
突撃:成功すると防御側の兵士数と戦意が大きく低下する。攻撃側も戦意が低下する。
鉄砲:防御側の兵士数と戦意が低下する。自軍の正面(隣接しなくても可)か斜め前方にのみ攻撃可能
前進:武将の軍事力に応じて戦意が回復する
後退:武将の知謀に応じて戦意が回復する
交替:予備(戦場にいない)武将と交替する。
これだけだと武将の率いる部隊同士の押し合いで面白くないかもしれないが、この5部隊以外に別働隊という相手から見えない部隊を出すことができる。これは突撃しかできない部隊で一回きりの攻撃となるがこの別働隊が存在することで合戦における緊張感が倍増する。(これぞ切り札と言うべき存在)

主力が展開する戦場の外に横を向いた別働隊が存在するのがわかる。

(2)攻城戦

野戦が終了し、攻撃側が勝利するとそのまま攻城戦になる。城の防御レベルが0になるか兵糧が0になるまで行われる。野戦と異なり、ラウンド数は攻撃軍団の戦意と知謀に依存する。最終ラウンドまでに落城しない場合は攻撃側の退却となる。この場合野戦とは異なり防御側は追撃してこないので損害は出ない。

攻城戦のコマンドは以下。

強襲:城に対して力攻めにて落城を狙う方法。かなりの犠牲が出る
内応:防御側を混乱させて城の防御施設の破壊や兵糧の焼き討ちを狙う。参加軍団の知謀が影響する
包囲:兵糧の減少を図る
退却:攻城戦を中止する

7.終わりに

ざっと「天下統一 相克の果てバリューパック」のゲームシステムの紹介をしましたがいかがでしょうか?見てくれは地味ですが始めると中毒性が異常に高いです。少しでも興味が出た場合は実際にプレイすることをオススメします。

パッケージ版

ダウンロード版

いずれもwindows10は動作対象外なのでその場合は以下の記事を参考に環境を構築してみてください。

GPD Winの仮想環境に古いWindowsをインストールして、シミュレーションゲームの天下統一Ⅱを起動させるまでの物語です